提供@takatora_0720さんより

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巷で話題のアレ

可愛い動画が実は虐待だった!あなたのそのハリネズミは泳がせちゃダメな種類!

2019年4月6日

人間の目というのは実にいい加減なもので「動物の可愛い動画集・写真集」みたいなもっともらしい文言で、さも公式っぽい名前のそれからそういう感じのものが流れてきたら、そういう感じに受け取ってしまいます。

Twitter等にはそういうアカウントがたくさんあります。

その大半は本当にそういう可愛い写真や動画を集めたものなのだとは思うのですが、その中に、以前から目にするたびに違和感を覚える動画がありました。

私は少しだけ動物たちに詳しい方だと思います。

そのお陰で気付いたそれなのか、AC(アニマルコミュニケーション)を勉強中だからなのかは分かりませんが、たった20秒足らずのその動画を見ていると持病のパニック発作が出そうになるほど心臓がバクバクしてきて「怖い」気持ちになるんです。

その都度、3桁を超える数の「いいね」を引っさげて流れてくるその動画。

なぜそんな気持ちになるのかなんて、あまり気にせず、ただ見ない(見なければ良い)という自己完結で終わらせていましたが、そんな問題ではないと教えて頂き、今はまた別の意味で心臓がバクバクしています。

先ほども言ったように「さもそれっぽいアカウントからさもそれっぽい文言で」紹介されている動画がまさか、やってはいけない行為だなんて疑いもしなかった私のそれは、いつも、フェレットの事で散々いってきている事…

「もっともらしい適当なそれを鵜呑みにしないで下さい」

今、私は怒っています。

このままそれが続く事、その先に何が起きるかが予想できてしまうから動画から感じた怖さとはまた別の怖さがこみあげてきています。

知らなかったからとはいえ、結果、見て見ぬふりをしてきた事と何も変わらないじゃないかって「ごめんなさい」の気持ちでいっぱいです。

その罪滅ぼし…になるかどうかは分かりませんが、同じように知らない誰かに知っておいて欲しくて書かせて頂きます。

ご存じの方も多いでしょうが、肩書通り、私はフェレット以外の事はほとんど何にも「知りません」

だから、知ってる事と調べた事、教えてもらった事しか書けません。

それでも、これだけ伝われば十分です。

私が伝えたい事はただ1つです。

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現在、日本でペットとしてお迎えできるハリネズミは泳ぐ事を知らない種類です!

この記事を書くにあたり、その動画を改めてじっくりと見てみようと思いました。

「ハリネズミにも泳ぎが得意な子とそうじゃない子がいるんだね」という何やら微笑ましそうな紹介文で始まるその動画。

確かに一人はシュッシュッシュッシュと足を動かしてずっと同じ位置で浮けています。

こちらの子を「泳ぎが得意な子」と言っているのでしょう。

もう一人の子は…

もう直視するのも可哀想になるくらい必死でもがいるように見えて…

上手に浮くことさえ出来ずにクルクル回っちゃったりして、やっぱり見ていられませんでした。

おハリさんという生き物は、今日のアイキャッチ画像通り、もともと顔がニコニコしている子が多くて可愛い表情だから、そういう風に見ようとしなければ気付きにくいのかもしれませんが、私にはどうしても、溺れてしまわないように必死にもがいているようにしか見えなくて…

怖いんじゃないかな…大丈夫かな…可哀想に…頑張れ、頑張れ…ってなってしまうその様子は、「泳ぎが得意じゃない子」だなんて、そんな表現で片付けてはいけない事態だと教えて頂きました。

それもそのはず、

本来、その子達は「泳ぐ事を必要とする環境には生息していない」種類なのだそうです。

泳げるはずがない子達なのです。

2019年現在、日本でお迎えできるハリネズミのほとんどはその「ヨツユビハリネズミ(ピグミーヘッジホッグ)」という種類の子達なので、今、日本にいるおハリさんのほとんどは泳がせる事をしてはいけない種類だという事です。

もし間違って、鼻からお水が入ってしまったら肺炎を引き起こすかもしれないと教えて頂きました。

泳げない生き物を泳がせるだなんて、そんなもんはただの虐待行為です。

流れてくる動画が例えどんなに可愛く見えたとしても、それは、おハリさんの顔が可愛いからなんとなくそう見えているだけです。

死んでしまう、死なせてしまうかもしれない危ない行為だって知っておいて下さい。

絶対に真似したりしないで下さいね。

お迎えできるのがヨツユビハリネズミだけになってしまったのは人のせい

ちょっと今日のお話しとはそれますが、現在、お迎えできるおハリさんの種類が「その多くはヨツユビハリネズミです」と言われるようになってしまった背景がとても悲しい事情だと分かったので、そちらも書いておこうと思います。

少し前までは「泳げる種類の」おハリさんも普通にお迎えできていた時代があったそうなので、その辺りと混同して、「ハリネズミは泳げる」と誤解している人もいるのではないかというコメントも頂いたので、「今はもうそうじゃない!」という事をハッキリお伝えするためにも知っておいて頂きたい事実になります。

ちょっとこちらをご覧下さい

ハリネズミは環境省が定める「日本の外来種対策」特定外来生物に指定されている

出典:環境省「日本の外来種対策」

お分かり頂けますでしょうか?

ハリネズミ属の『全種』を特定外来生物として環境省は定めています。

(※詳細は後述しますが、ヨツユビハリネズミはハリネズミ属ではなく「アフリカハリネズミ属」です)

ですが、「ハリネズミ」の自然分布は、ヨーロッパ、アフリカ、中近東、東アジア(日本を除く)、ロシア、インドとされ、ニュージーランドと日本では「ハリネズミ」を「外来種」としています。

「ハリネズミ」は元々、日本には生息していないのだから「外来種」なのは間違いないです。

ところが、同じように日本には元々いない「フェレット」は特定外来生物の指定には属していません。

フェレットは「要注意外来生物」です

「外来生物」と一言でいっても、環境省が定めるリストには「特定外来生物」「未判定外来生物」などがあり、その中の1つに「要注意外来生物」というものがあります。

それは、

外来生物法の規制対象となる特定外来生物や未判定外来生物とは異なり、外来生物法に基づく飼養等の規制が課されるものではないが、これらの外来生物が生態系に悪影響を及ぼしうることから、利用に関わる個人や事業者等に対し、適切な取扱いについて理解と協力をお願いするもの。

として、哺乳類ではリスザル (Saimiri sciureus)、フェレット (Mustela furo)、シマリス (Tamias sibiricus)がリストインしています。(2019年4月現在)

そもそも「特定外来生物」って何?

  • 「特定外来生物」とは、外来生物(海外起源の外来種)であって、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定されます。
    特定外来生物は、生きているものに限られ、個体だけではなく、卵、種子、器官なども含まれます。
  • 特定外来生物とは別に、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼす疑いがあるか、実態がよく分かっていない海外起源の外来生物は「未判定外来生物」に指定され、輸入する場合は事前に主務大臣に対して届け出る必要があります。
  • 外国から生物を輸入する場合、税関でその生物が特定外来生物又は未判定外来生物かどうかをチェックすることになるのですが、特定外来生物等と外見がよく似ていて、すぐに判別することが困難な生物がいます。これらは「種類名証明書の添付が必要な生物」といい、外国の政府機関等が発行したその生物の種類名が記載されている証明書を輸入の際に添付しなければ輸入できません。

お分かり頂けますでしょうか?

「~に被害を及ぼす(またはそのおそれがある)」と認定された生き物たちの事を「特定外来生物」というのです。

これは、私が「フェレットの保護活動」にやっきになってる理由の1つでもあるのですけど、環境省に「特定外来生物」だと指定されたら、その生き物はもうペットとしてお迎えできなくなるんですよ!!!

もともと日本にいないはずの子達が「日本の生態系や産業に被害を及ぼす」って、どういう事か分かりますか?

誰かが日本に連れてきて、誰かが無責任な事をしたからそうなったって事ですよ!

ハリネズミ「人間との関係性」(出典:Wikipedia)

日本では、化石は発見されているものの、有史以後は分布しなかった。

ただし現在は、ペットとして飼われていたと思われるものが、神奈川県の小田原市や静岡県の伊東市などに定着していることが確認されている。

日本では2005年12月にハリネズミ属が属単位で特定外来生物に指定(2006年2月施行)されている。

2015年にはハリネズミ属が属単位で環境省の生態系被害防止外来種リストにおける総合対策外来種のうち、重点対策外来種に指定されている。

2017年現在ヨツユビハリネズミを除くアフリカハリネズミ属・オオミミハリネズミ属・Mesechinus属が未判定外来生物に指定されている。

ここに至るまでの過程とおぼしき資料を見付けました。

東京農大生調査 ハリネズミ野生化、伊東や小田原で繁殖(出典:朝日新聞社asahi.com2003年9月23日)

針状の体毛で身を守ることで知られるハリネズミが、静岡県伊東市や神奈川県小田原市で野生化している。本来の生息地はユーラシア大陸だが、ペットが逃げたか放されて繁殖したらしい。財団法人・自然環境研究センターの石井信夫研究主幹、東京農大4年の大塚知美さんらが、23日まで盛岡市で開かれていた日本哺乳(ほにゅう)類学会で発表した。
伊東市の伊豆シャボテン公園では、95年ごろから、近隣の野外で保護されたハリネズミが持ち込まれるようになり、飼育係の柿崎星子さんによると、計129匹に達している。今年6月、石井さんらが保護された地点周辺にワナを仕掛けてみると、8匹がかかった。

小田原市でも87年から目撃情報が寄せられるようになり、8月に石井さんらが梅林や農耕地で6匹を捕獲。定着を確認した。

伊東市のハリネズミはアジア産のマンシュウハリネズミで、小田原市のは欧州などにすむナミハリネズミらしい。伊東市の生息範囲は約20平方キロメートルと特に広く、相当数いると見られる。栃木県真岡市でも野外での捕獲が相次ぎ、野生化している可能性がある。
ハリネズミは、欧米では昔からペットとして人気で、日本でも売られている。今のところ大きな問題は起きていないが、人にうつる感染症の有無など不明な点も多い。伊東市ではイチゴが食べられ、また、エサが競合する在来種のモグラを圧迫する可能性もある。

石井さんは「生態系や農業にどんな影響が出るか分からない。コントロールできるうちに野外から除くことが必要」と言う。

悲しい、人として情けない…

かつてのおハリさん達だって、ただ連れてこられただけなのに、必死で生きようとしてただけなのに、「ペット」から「野生化」挙句に「重点対策外来種(野外から除くことが必要な生物)」だなんて、そんな風に言われてしまうなんて…

人間の都合で振り回されて、本当にもう…

なんて言ったらいいんだろう…ごめんねって気持ちになります…

ヨツユビハリネズミだけが例外

先ほどからちょこちょこと出ている「ハリネズミ属」と「アフリカハリネズミ属」の区別についてですが、私はその詳細な知識を持っていません。

違うという事が分かっているのに、何がどう違うかなどを調べもせずにこうして記事を書き続けていられるのには、理由があります。

Wikipediaからのそれにもちょろっと出ていますが、「ハリネズミ属」」と「アフリカハリネズミ属」を分けたとて、そのどちらもの「全種」が特定外来生物か未判定外来生物として、容易にはお迎えできないという悲しい事実に変わりが無いのです…

見えづらいですね←

こちらは環境省から『特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律に基づき規制される生物のリスト【動物】』としてpdf.で公開されていますので、詳細のご確認は各自でして頂けたらと思いますけど、今日のお話しで大事なのはここ

「ヨツユビハリネズミ」だけは、「その対象ではない」とハッキリ明記されています。

ペットとしてお迎えできる唯一のおハリさんなのです。

ほんの10年20年前までは「人気のペット」として、オオミミハリネズミ(ミミナガハリネズミ)やナミハリハリネズミ(ヨーロッパハリネズミ)などもお迎えできていたそうです。

ヨーロッパハリネズミは泳げる

2016年の9月10日にNHKで、地球ドラマチック「ハリネズミホテルへようこそ」というドキュメンタリー番組が放送されたそうです。

そこには『泳ぎも得意なハリネズミ』として、ヨーロッパハリネズミの事が書かれています。

見ていないので番組の内容は分からないのですが、「少し前までお迎えできていたおハリさんの中には泳ぎが得意な種類がいた」この事が、今回のあの動画とゴッチャになったら…

分かりますね?

なんとなくうすらボンヤリした知識しか持たないまま、「知らずに」それを行ってしまう飼い主さんがでてきてしまうかもしれない。

その事でその子は死んでしまうかもしれない。

可愛い我が子を知らずに虐待していたなんて事になったら…

それがとても怖いんです。

まとめ

随分と長くなってしまいましたが、私が言いたかった事

  • おハリさんを泳がせないで下さい!!

ケージ飼いをしているとホイールで自分の排泄物が体についてしまう事があるそうなのですが、そういう時の方法は、きちんとしたおハリ飼いさんに聞いて下さい。

無責任な事は言えませんが、「足湯」程度なら、「お水を怖がらない子もいる」と聞きました。

こんな風に薄くお湯を張って(おハリさんがしゃがんでも辛うじてお腹が浸るくらい)自由に歩いてもらって尚且つ人間が同伴は絶対です!と。

お写真を貸して頂くにあたり、それでも、「本来は泳げない(泳ぐ必要すらない)子達だから、お水は苦手だと思って接してあげなければいけない」と念を押されていました。

友達
友達
体の構造を見れば分かる事ですが、この子達の体は泳ぐためには出来ていないのです。「泳ぎが得意、不得意」とかそんなレベルではないのです。

と、強く強く言っていました。

もう一度、言います。

詳細は「きちんとしたおハリ飼いさんに聞いて下さい」!!

  • 現在、日本で特別な許可など何もなくお迎えできるおハリさんは「ヨツユビハリネズミ」だけ
  • ヨツユビハリネズミは泳げない

しつこく何度でも言いますよ!

可愛いからって真似する人がでないように」これが私の唯一、本当に届けたい事はこれだけなのです。

いるんですよ、真似しちゃう人は…

そんな時「知らなかったから」では済まされない事態になってしまってからでは遅いんです。

件のあの動画は、出回るたびに、おハリさん飼いさん達が「ダメな事だから!」と注意喚起を出したり、「真似する人が出ないように」と削除依頼を出されたりしているそうなのですが、定期的に流れてくるところを見ると、ネットのどこかに残っているのでしょう…

それを拾ってきて拡散する人(アカウント)がしつこく現れます。

新しいそれが出回った時には、古い動画についていたそれらの注意喚起はもろとも流れてしまっています。

だから、私にでも微力ながら出来ることとして、当ブログでも注意喚起としてその事を記事に残しておけば、及ばずながら、「間違ったことはしないで」というたった一つの事だけですが、それでも少しはおハリさん達のためになれるんじゃないかと思って書きました。

この記事を書くにあたり、改めて、突きつけられた

お迎えできるおハリさんが、ヨツユビハリネズミだけになってしまった背景…同じ小動物の保護活動者として胸が締め付けられる思いです。

小さな生き物にだって責任を持たなければいけn…いや、小さな命だからこそ、我々人間は責任を持って正しい飼い方をしてあげなければいけないんです。

きちんとした知識が広まっていってくれる事を切に願います。

小さな命を取り巻く環境、ペット社会が少しでも健全でありますようにと祈っています。

おまけ

そう言えば前に、おハリさんの事をまったく全然知らない状態で、お話しの練習をさせてもらったことがありました。

記事の内容としては単なる私のへっぽコミュニケーションのお話しなのであれなのですが、掲載用にお借りしたお写真がどれも本当に可愛いので、それだけでも見て下さい!!

写真を!
ハリネズミ
フェレット飼いの私のアニマルコミュニケーション練習記録【ハリネズミ】どんな生き物?可愛いその実態に迫ってみた!

私は氣を扱う職人(占い師)なので、何を隠そう、本当は、「めっちゃ空気が読める」人間なのです。 対象は人だけではありません。 dudududddddd… プシュッ!シュ!クルリン! dudududddd ...

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